レールの上の人生 【 自由な生活 】
「 大学、つまんない。」
2年前の冬、
当時わたしは 大学2年生として 学校に通っていた。
大学は 渋谷にあったから、
比較的 『 遊ぶ環境 』は整っていたと思う。
苦しくて長い 大学受験を終えて、
その反動からか、
大学1年生の時は とにかく遊んだ。
今まで自分の足では行ったことのなかった、
渋谷 原宿 表参道 。
六本木や 麻布十番などなど、
夜になっても明るい街に、当時のわたしはワクワクしていた。
それもそのはずで、
わたしは一人っ子で、
両親はものすごく厳しかった。
中学3年生のとき、
友達とディズニーランドに行きたいと 話をした時も、
問答無用で 答えは 『 No 』。
帰りが17時を過ぎるため、
行かせるわけにはいかない とのことだった。
門限は厳しいし、
その上、1秒でも遅れれば 家のカギを開けてもらえない。(笑)
小学生の頃、
何度、たった2、3秒の遅刻で 家から閉め出され、
父親が仕事から帰ってくるまで
玄関の前で座り込んで待っていたことか。(笑)
おまけに、
同年代の友達は、小学生のうちから携帯を持っていたのにも関わらず、
わたしは高校に入るまで
携帯を持たせてもらえなかった。
他にも あげたらキリがないほど。
たくさん例はあるが、
当時のわたしが一言で言うなれば、
『 友達のお家とは、ちょっと違う 』家庭だったのだ。
そんな 『 まわりとは違って、かなり厳しい家 』で育てられたわたしは、
全くと言っていいほど、
友達と遊んだことがなかった。
小学生の時も、
毎日習い事ばかり ( 好きでやっていたものが多いが... ) だったし、
中高は部活 ( これも 好きでやっていたのだが... ) に明け暮れていた。
近所で友達と遊ぶことも あまりなかったし、
ましてや、
どこかに出かけることなんて ほとんど経験がなかった。
そんなわたしが、大学に入ったと同時に
『 自由 』を手に入れたのだ。
禁止されていたアルバイトも許可が下り、
自分で稼いだお金で、
洋服を買ったり 化粧品やアクセサリーを 大人買いしてみたり。
はたまた、夜の渋谷に繰り出して、
『 お酒と音楽を楽しむ 』などと格好つけて、
終電ギリギリまで
お酒片手に爆音のクラブミュージックで踊り狂ったり。
友達と、「 大学4年間は 遊び倒す!」と言っていたほど、
わたしは『 自由 』を、
目に見えないプレッシャーからの『 解放感 』を、
身体で感じ それを心地よく思っていた。
だが、いつからだろうか。
その『 自由な生活 』を、
楽しくない 退屈だ と感じ始めたのは。
そして、わたしは気づいた。
俗に言う『 趣味 』が、
1つもなかったのである。
つまり、夢中になれる事が何も無い状態。
見てみたい! 聞いてみたい! の
『 興味が湧くこと 』もない。
もちろん、
『 将来の夢 』どころか
『 チャレンジしてみたいこと 』もない。
ジャンルは何にしろ、
こうなりたい!という『 憧れるイメージ像 』があれば
まだ救いようがあったのかもしれないが、
当時のわたしには、それすら なかったのだ。
そして、
その自分の置かれてる 絶望的な状態に 気づいてから、
わたしは 『 遊ぶためだけに利用していた学校 』が
つまらなく感じるようになっていった。