花束。
草花を 幾本も束ねたもの、
それが 花束。
それぞれのお花が、
一体感を崩さない ギリギリのラインで
個々に主張し合っているのが
わたしから見た 最大の魅力。
きっと、
1本1本それぞれを単体で見ても
「 あ、キレイなお花... 」
程度にしか、わたしたちって思わなくて。
束になるからこそ、
まとまりや、そこに生まれる協調性ならぬものが
奥行きや 立体感などの フォルムから 露わになり、
それに対して わたしたちは
心踊るような 感情を抱く。
花束を見ていると、
似たようなイメージを 持ち合わせた者同士が
一緒になるからこそ、
そこから放たれるパワーが生まれるような、
そんな気がする。
その中には、もちろん
大きく主張してくるお花もいれば、
脇役に定するお花もいて。
そして 普段は気づいてもらえないような草も、
主役を引き立てる役として
しっかりと重責を担う。
でも それぞれが 殺し合うことなく、
どこか調和しているような気さえする。
不思議なんだけど、花束って
こう、ちゃんと見ると
見る方向によって、
丸っきり異なった表情をする。
静かに優しく微笑みかける反面、
短い命を 悟っているかのように
どこか 悲しく目を細める。
自らの最期を理解し、受け入れているものほど
「 今 」を 最大限 美しく生きようとする。
花って、なんてステキなんだろう。